子宮筋腫ってどういう病気?
子宮筋腫とは、子宮にできる良性のコブです。
なぜできるのか?原因は分かっていません。
月経過多や貧血、不妊症などライフスタイルに影響を与えることもありますが、無症状のことも多いです。
又、子宮筋腫と一口に言ってもいくつかのタイプがあり、それによって症状や対処法も異なります。
問題は、筋腫の大きさよりもどこの場所にどれくらいできているか?です。
子宮筋腫があると指摘されたら、自分はどのタイプの筋腫なのか?しっかり把握しておくことが大切です。
子宮筋腫の原因について
子宮筋腫は、30~50代の5人に1人は持っているといわれるほど頻度の高い病気です。
原因が分かっていないのでどんな人がなりやすいのか特定することが難しいです。
最近、産婦人科医の間で話題になっているのが、不妊治療で大量にホルモン剤を使ったために筋腫が大きくなるケースです。
従って、不妊治療を受ける前に子宮筋腫が無いかどうか必ずチェックを受けたほうがいいです。
又、親や姉妹などに子宮筋腫がある人は子宮筋腫ができる可能性がある(遺伝)ので検査を受けることをお勧めします。
子宮筋腫の症状について
自覚症状が無い場合、婦人科検診で偶然発見されるケースがほとんどです。
子宮筋腫の代表的な症状は月経過多とそれに伴う貧血です。不妊の原因になる場合もあります。
ナイト用ナプキンを2枚重ねても下着が汚れるほど出血量が多い、出血が長引く、出血にレバーのような固まりが混じるという人は筋腫がある可能性が大きいです。
筋腫で直腸や膀胱が圧迫されて便秘や頻尿を起こす事もあります。
ただし、お腹の上から触れるほど大きな筋腫があるのに無症状で本人が気づかない場合もあります。
子宮筋腫の検査方法について
問診、内診、超音波検査が基本です。
月経に異常がある人は、月経周期や月経が何日間続くか?、出血量の目安(ナプキンを替える頻度など)をすぐ答えられるようにしておくといいでしょう。
超音波検査はほんの1センチほどの小さな筋腫も映し出します。又、血液検査で貧血が無いかどうかチェックすることも大切です。
筋腫が腸や膀胱を圧迫している可能性があるときは、MRIなどの画像診断で骨盤内の臓器の位置関係を確認します。
子宮筋腫のできる位置とその呼び方について
子宮筋腫はできる位置によって呼び方が違います。
粘膜下筋腫…子宮の内側に向かってできたもの。茎でぶら下がっているものは有茎性粘膜下筋腫。
漿(しょう)膜下筋腫…子宮の外側にできたもの。茎で飛び出ているのは有茎性漿膜下筋腫。
筋層内筋腫…子宮の筋層内にできたもの。
又、筋腫が子宮から膣のほうに出てきているものを筋腫分娩、頸部にできるものを頸部筋腫といいます。
大きさは小指の先ほどのものから、赤ちゃんの頭ほどある巨大なものまであり、いくつか複数できることが多いです。
子宮筋腫の治療法について
筋腫は女性ホルモンの影響を受けて大きくなっていくので、閉経すれば自然に小さくなることが多いです。
自覚症状が無ければ半年~1年ごとの経過観察だけですぐに治療する必要はありませんが、症状がひどい場合や筋腫が急に大きくなるようなら手術を考えることもあります。
治療の基本は手術で、腹腔鏡手術の場合、4泊5日程度が目安になります。
子供が欲しい場合には、筋腫のみを摘出する核出手術を行いますが、出産希望が無くても子宮を摘出する必要は無いので希望ははっきり伝えましょう。
月経過多になりやすい粘膜下筋腫は子宮の内側にあるので膣から比較的簡単に摘出できます。いずれにしても、一刻を争う病気ではないのでよく考えて納得のいく治療を受けるようにしましょう。
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