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卵巣がん検診の検査方法、結果分類、原因、症状、治療法について~受けておきたい婦人科検診

卵巣がん(らんそうがん)ってどういう病気?

卵巣癌(卵巣がん)とは、卵巣にできる悪性の腫瘍のことです。
卵巣は親指大の小さな臓器で、子宮の両脇にあります。

卵巣の腫瘍のうち、良性を「卵巣のう腫」、悪性を「卵巣「がん」」、その中間にあるのが、境界悪性(中間群:再発や転移が少ない卵巣癌(卵巣がん))です。

更年期以降に多い「がん」で、比較的若年者にも発生しやすく、増加傾向にあります。
20~30代の女性に見つかるのはほとんど良性の「卵巣のう腫」です。

卵巣のう腫・・卵巣にできる両性の腫瘍。卵巣の中に分泌液や脂肪などが溜まり、腫れてしまったもの。中には大人の頭大くらいに腫れることもある。もともと卵巣は色々な腫瘍ができやすいので特定のリスク要因は無く、誰でもかかる可能性あり。

卵巣癌(卵巣がん)・・更年期以降に多く、50代女性がピークですが、最近は30代女性で発症する人もいます。

良性・悪性を問わず卵巣の腫瘍に溜まる中身には次のような性状があります。

漿液性(しょう液性)・・サラサラした液体
粘膜性・・ネバネバした液体
類内膜性・・血液が溜まったもの

のう腫の中には、卵巣の中に髪や歯などができる皮様のう腫というものもあります。

卵巣癌(卵巣がん)の原因について

危険因子としては、遺伝、高齢出産、もしくは妊娠未経験者、肥満(動物性脂肪を過剰に摂る)、ピルの未使用、乳癌(乳がん)になったことがある、などです。

「家族性卵巣がん」という卵巣癌(卵巣がん)になる遺伝子を受け継いでいる家系があります。
祖母、母、姉妹、娘など自分に極めて近い血縁者に卵巣癌(卵巣がん)になった人が2人以上いればその可能性は高くなります。

又、排卵も原因と考えられています。

卵巣から卵が飛び出すことで卵巣が傷つくと、その傷を治そうと成長因子が分泌されます。それが長く繰り返されると細胞が異常増殖し癌化(がん化)されるのです。

従って妊娠、もしくは低用量ピルの服用で排卵を抑え、排卵の回数を減らすと卵巣癌(卵巣がん)の予防になります。

実際、出産の多い人は卵巣癌(卵巣がん)になりにくいです。

又、低用量ピルを飲んでいれば排卵しないので卵巣が傷つかないので卵巣癌(卵巣がん)の予防になります。
5年以上飲むとかなり効果が上がり、3人以上出産していることと同じになります。

低用量ピルの副作用はほとんどありませんが、肥満や血圧の持病がある人は血栓症がごく稀に起こる場合もあるので医師と相談されてください。

 

卵巣癌(卵巣がん)の症状について

良性・悪性に関わらず、卵巣の腫瘍にはほとんど症状が表れないので初期で見つけるのは難しいです。
従って、何か異常を感じて病院へ行った時には1/2以上の患者が既に他の臓器、部位への転移を起こしている3期~4期の状態です。「がん」が進行すると腹部の腫れ、膨満感、腹痛、頻尿感、しこりに触れるなどの自覚症状が表れ、膣出血も稀にあります。

又、卵巣癌(卵巣がん)は腹膜に種を撒くように癌細胞(がん細胞)が転移することが多いので腹水がたまりやすいです。

卵巣癌(卵巣がん)検査方法について

内診で卵巣の腫れやしこりを調べ、膣の中から超音波をあてる経膣超音波検査で腫瘍や大きさ、性状、腹水の有無をみます。

卵巣癌(卵巣がん)が疑われる場合について
悪性の可能性があれば、さらにCT、MRI、腫瘍マーカーも行いますが、腫瘍マーカーは初期の腫瘍には反応しにくく、また良性腫瘍にも認められることがあるのでこれだけでは判断できません。

卵巣癌(卵巣がん)の進行期分類について

卵巣腫瘍80%は良性ですが、卵巣は子宮のように細胞や組織を採取して検査できないので、卵巣腫瘍が悪性か良性か、悪性の場合の進行期などが確実に判断するには手術で切除した組織を調べた後になります。
診断の結果、進行期は次のように分類されます。

1期…「がん」が片側、あるいは両側の卵巣にだけとどまっている状態。
2期…卵管、子宮、直腸、膀胱などの腹膜に「がん」が転移している。
3期…卵巣の周囲の腹膜だけでなく、上腹部やリンパ節に転移している。
4期…「がん」が腹腔外に転移しているか、もしくは肝臓に転移している。

卵巣癌(卵巣がん)の治療について

良性と推定された場合、小さな腫瘍なら定期的に経過観察します。
大きさが6センチを越えるものは、片側の卵巣と卵管を切除することが多いです。

それほど大きくない腫瘍は、腫瘍だけを摘出する核手術を行いますが、その場合、腹腔鏡手術が可能なこともあります。

卵巣が一部残っていれば正常に排卵が行われるので妊娠も可能です。

悪性を疑う場合は原則として開腹手術を行います。

1期~2期は腫瘍を取り除くことが可能で、1期の「がん」では、将来出産を望むならば腫瘍のある卵巣のみを摘出しますが、そうでなければ卵巣、子宮、卵管を摘出し、後腹膜リンパ節郭清をします。

又、太網という胃から垂れ下がっている脂肪組織があり、卵巣癌(卵巣がん)の転移が最もよく起こる場所があり、一見して転移が認められなくても切除し、手術後、顕微鏡で検査して転移があるかないかを調べます。もしなければ2期で、転移があれば3期ということになります。

2期になると骨盤腹膜も含めて切除する方法もあります。直腸に浸潤がある場合は直腸を含めて切除し、術後は化学療法(抗がん剤)を行います。

3期~4期になると他の部位に転移しているため、手術によって完全に切除することができません。
そこで、手術でできるだけ多くの「がん」を取り除き、「がん」の量を少なくしてから化学療法や放射線治療を行います。

卵巣癌(卵巣がん)でも術前化学療法が用いられ、子宮頸がんと同様の80%程度の患者に効果が認められます。放射線治療は期待できません。
 

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