子宮頸がんの前がん病変である【子宮頸部異形成】に関する情報交流サイト

妊娠中に細胞診で擬陽性・出産後に組織診で高度異形成判明、円錐切除術を受けたMさんの体験談(入院中の授乳について)

@sarryさん、こんにちは。サイトの運営、ありがとうございます。
昨年子宮頸部異形成の診断を受けて以来、こちらのサイトで勉強させていただいていました。おかげで、異形成のまま出産することや、手術そのものに対する不安はほとんどありませんでした。ただひとつ、私が悩んだのは、「手術の際に母乳はどうなるのか?」ということでした。
妊娠中や産後の健診で異形成が判明し、子供が小さいうちに手術をすることになって悩む女性も少なからずいると思います。その方々のために少しでも参考になればと思い、第3子の妊娠・出産を経て、母乳のみで育児をしているさなかに円錐切除術を受けた、私の経験をお伝えしようと思います。

初めて異形成が判明したのは、昨年5月、胸が張って痛かったので産婦人科を受診したときでした。「せっかく来たので子宮がんの検診をしておきましょう」と言われて受けました。
「再度来院してください」との手紙が郵送されて来て受診すると、「異形成というのがあって、一部ですがガンに進行することがあるので、経過を見るため3ヶ月ごとに検査して行きましょう」との話でした。軽度異形成だったと思います。診察室で最初に「3」が目に入ったときには、進行しているガンなのかと暗い気持ちになったのを覚えています。
胸のほうは、結局外科を受診し直し、乳がんの検診もしてもらった上でホルモンバランスの崩れとのことで、薬を内服してすぐに治りました。

7月末、妊娠の兆候があったので、3ヶ月には少し早かったのですが検査も受けるつもりで受診しました。
妊娠はその場で分かり、妊娠の経過と子宮頸がんの検査結果を聞くため2週間後に再度受診し、やはり異形成とのことでした。このとき主治医に、このまま妊娠を継続して出産してよいことを確認し、次の検査は産後にと言われました。
妊娠は順調に経過して今年3月末に無事第3子を出産し、1ヶ月健診の際に子宮頸がん検診も受けました。
5月上旬に結果を聞きに行くと、やはり異形成。「1年たってよくならないので、念のため総合病院を受診してみてください」との事でした。

翌週紹介状を持って総合病院を受診しました。上2人の子供は保育園に通っており、末っ子は実母に預けました。
この日は細胞診を受けました。予約時間よりだいぶ遅れての診察は覚悟していましたが、末っ子がおなかをすかせているかもしれないのに、これだけ待って前と同じ検査かとがっかりしました・・・が、医師には言えず、「検査の内容は同じですよね?」と聞くことしかできませんでした。

6月初めに結果を聞きに行くと、初めて「高度異形成」と言われ、組織診(医師はコルポパンチと呼んでいました)を受けました。
さらに2週間後、結果を聞きに行くと、「やはり高度異形成です。高度異形成からは治療(=手術)が必要になります。ただ、範囲がごく狭いですし、高度異形成が見つかって間もないからあまり急ぐ必要がない可能性が高く、お子さんもまだ小さいですから、3ヶ月ぐらいなら毎月検査を受けて待っていてもいいですよ」ということで、とりあえず3ヶ月猶予をもらった感じになりました。手術前後の入院の日程をたずねると、この病院では手術は月曜日と決まっていて、前日入院して術後2~3日で退院との事でした。
HPVの型を知りたいと思ったのですが、この病院では検査を行なっておらず、市内の個人病院で行なっているところがあるようだからそちらでお願いしますと言われました。
この頃末っ子の生活リズムは落ち着いてきたとはいえ、まだ3~4時間ごとに授乳し、私のおっぱいもそのリズムで張っていたので、すぐに入院や手術ということにならなくて本当にホッとしました。

7月中旬、細胞診を受け、2週間後に結果を聞きに行きました。このときの医師は3ヶ月の猶予をくれた医師とは違い、「高度異形成と出ている以上、脅すわけではないけれど進んでしまう可能性があるので、手術を受けてください」と話しました。「8月はお盆などで忙しいかもしれませんね、9月に入ってからならどうでしょう、お子さんも6ヶ月近くなりますし。」とも。

少しためらいましたが、思い切って9月に手術の予約をしました。「入院中は母乳はあげられないですよね?」と尋ねると、「大丈夫ですよ、あげられます」と答えてくれたので、ぐっと気分が前向きになりました。

8月、出産した病院では行なっていなかったので、HPVの検査を受けに初めての個人病院を訪れました。ここでの検査は、型を特定するのではなく、ハイリスクの型に感染しているかどうかをみるものでした。高度異形成と診断されて手術も受けると決まっているのなら、この検査を受ける意味はほとんどないと言われましたが、食い下がって検査をお願いしました。(そのせいか、医師が冷たいように感じました。)
2週間後に結果を聞きに行くと、陽性でした。なんとなくショックを受けました。
手術の2週間前に術前検査に行き、その際に末っ子がいっしょに泊まることはできないか、ダメもとで聞いてみました。するとやはり「いっしょに入院することはできない。また、この病院では婦人科は小児科との混合病棟のため、ウィルス感染予防の観点から12才未満の子供は病棟に入れない。デイルームで面会は出来ると思うが、授乳が可能かどうかは病棟の看護師に相談してみて欲しい」とのことで、再び悩み、気分がふさいでしまいました。
この頃末っ子は、授乳間隔は4~5時間空くものの、夜泣きが始まって、添い寝で授乳しながら寝かしつけることが増えていました。生後3ヶ月頃までは預けたときなどミルクも飲んだのに拒否するようになっており、1日1回哺乳瓶の練習をしましたが一向に効果がなかったので、入院中のことが心配でたまりません。
入院の一週間前には添い寝で授乳するのをやめました。ミルクは授乳のたびに与えてみたり、間隔を多く空けたり、中身を母乳にしてみたり、さまざまなミルクや乳首を試してみたり、思いつく限りのことをしましたが飲みませんでした。さらに風邪を引いたらしく咳まで出て、不安が膨らみました。

入院当日、無事に咳が治ってきた末っ子を実家に預け、病院に向かいました。上の2人は同居の義母らにお願いしました。
個室を希望することと授乳のことを伝えると、病棟のはじのほうの個室にしてくれ、外科病棟のほうから回ってくればこっそり赤ちゃんを部屋に入れてもいいと言ってもらえました。その日は日中に病室で2回授乳し、あとは4時間おきぐらいで搾乳しました。冷凍用の母乳バッグを用意していったので、ナースステーションで冷凍してもらいました。末っ子は実家でも哺乳瓶を拒否し、スプーンでほんの少しミルクを飲んだ程度だったようです。

手術当日は末っ子は連れてきてもらいませんでした。朝搾乳したあと手術に向かい、手術後動けるようになってからは絞って捨てました。絞るときに直接母乳パッドに吸わせたりもしたのですが、意外と吸う量が少なくて、結局哺乳瓶に絞って捨てました。が、間隔も空き、飲んでもらってもいないので絞りきれず、おっぱいにはしこりができてしまい、ひえピタのようなもので冷やしました。腰椎麻酔だと授乳に影響がないようなのですが、私の場合は麻酔後にスッキリ覚める静脈麻酔にするので、24時間は母乳はあげられないと説明を受けました。
末っ子は、この日はあきらめたのかスプーンで少しはまとまった量の搾乳やミルクを飲んでいたようです。「飲めるようになった」と聞いて安心し、私は数日振りにぐっすり眠りました。

手術翌日、術後24時間がたって末っ子を連れてきてもらうと、グビグビとおっぱいを飲みました。午後にも一度連れてきてもらいましたが、その後はまたスプーンも嫌がるようになってしまったそうです。
夜私が搾乳した分は、また冷凍してもらいました。飲んでもらったら、おっぱいのしこりや熱っぽい感じも落ち着きました。
手術後2日目、診察の結果退院許可が出たので、午前中に退院してすぐに授乳しました。久しぶりに末っ子の笑顔が見られ(病室ではいつも緊張した様子でした)、安心しました。実家では夜泣きもほとんどしなかったようです。上の2人は普段どおり過ごしていました。
退院後2週間たって受診すると、病理検査の結果、「異常なし」だそうです。おそらくそれまでの検査で取りきれていたのでしょう、手術したことによってはっきりしてよかったですね、との事でした。
私の場合は育休中で、末っ子の授乳間隔がある程度空き、これ以上知恵がついて人見知りしたりこだわりが出る前に手術を受けてちょうど良かったと思っています。また、同居していることも、実家が市内なのもありがたかったです。
今後も子供たちのためにも忘れずに検診を受けていこうと思います。

【追記:2009/03/03】その後のご報告をいただきましたので追記させていただきます。
その後、11月と1月にも細胞診を受け、どちらも異常なしだったので、総合病院から元の産婦人科の個人病院へ逆紹介となり、なんだかずいぶんホッとしました。
産院では次は6ヵ月後に検査を受けるようにとのことでした。末っ子も無事にぐんぐん成長しております。

管理人@sarry:授乳中の入院の貴重な体験談、ありがとうございます。お子様やご家族のためにもどうぞお大事にされてください。その後のご報告もお待ちしています。

「みんなの子宮頸部異形成・子宮頸がん体験談」の記事一覧へ

 

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.